映画『ローズ家の戦争』

 1989年作 「The War of the Roses」

 そのままの原題なんですね!「ローズ家の戦争」です。
 古い映画ですね。あの頃の映画が一番好きかも知れません、私(笑)

 これは、「ブラック・コメディー」だと思いますが、
 私としては、絶対に「サイコ・スリラー」だと思うのです。

★ ネタばれ注意 ★


 この映画は、映画を見ている観客に向かって語りかけるように撮られていたように思います。
 全体は、「ローズ夫婦」の離婚にまつわる夫婦の攻防戦を描いたコメディーです。
 ストーリーテラーは、ある弁護士。この弁護士が以前に関わった
 「ローズ家の離婚問題」の話を、新たに来た、離婚問題を抱えたクライアントに話す
 という手法だったはです。
 このクライアントは一切登場せず、クライアントに向かって話す部分が、
 観客に向かって語られているようなカメラワークでした。

 でも、絶対あれは、「サイコ・スリラー」です!!
 だって…すっごい怖いもん!! 結婚なんていいことあるのか?って聞きたいぐらい(笑)

 もともと、別段仲が悪かったわけじゃない「ローズ夫婦」の愛が冷め、
 ローズ婦人は、もう旦那さんに愛がない。でも、ローズ氏は奥さんに未練がある。
 
 そして、旦那さんが↑で説明した弁護士のところに相談に行くんですね。
 ストーリー全体は「コメディー」です。
 「ブラック・コメディー」です。ダークな部分が非常に大きいのですが、
 ちゃんと笑えるようにできています。
 ただねぇ~、本当に、この二人の攻防が怖いのです。

 家の中は「家庭内離婚」状態で、もう「陣地」とか決まってるですよ!
 で、イジワルし放題なんです。
 いろいろなトラップ仕掛けたり、挙句に殺すこともいとわない勢いになって…
 「未必の故意」は、もう日常茶飯事なわけですよ。
 互いに、精神的にも追い詰められていって、もう愛とか離婚とかどうでもよくなってる感じ…
 
 自分が勝つためだけに、豪勢なシャンデリアに二人で登って落下したり…

 「人ってこんない強欲なの?」って思ったのです。
 お金のことだけではありません。相手に対しての独占欲、勝利への執着とか、
 それはもう、すべての「欲」と、プライド(?)と精神的優越のために、
 そこまでやるか!!って程の「ローズ家の離婚戦争」を見せてくれます。

 最後は、この弁護士が「離婚したいなら、妻の言うことを聞く方が安全だ」といって
 クライアント諭すように言うセリフだったと思います。
 そして、この弁護士は、ちょっと恐妻家なのかな?奥さんとラブラブなのかな?
 エンディングは、弁護士さんが奥さんに電話してる映像で終わったハズです(笑)<うろ覚え(汗)

 「怖い」と言いながら、何度も観た映画です。
 好きです、こういうタイプの「ブラックユーモア」が。

人間の底知れぬ恐ろしの片鱗を見るならコレ!!

 絶対、「コメディー」じゃないですって、「サイコ・スリラー」ですって!! <力説

 まぁ、一度ご覧くだいませ…怖いですよ、きっと♪