英語にならない日本語

 先日、日本の漫画を英語に訳してる「Manga」を読む機会がありました。

 その中で、読んでいて非常に笑える表現にいつくも出会うことになりました。

 たとえば、日本の漫画では頻出の「擬音」が英語にはない。

 「ない」わけではないのですが、日本語のように使わないといった方が正しいでしょうか・・・

 とにかく「バシュっ!」とか「ガラっ」とか「キィーー」とか「ペタペタ」とか・・・

 こういった擬音が英語ではあまりないようなのですね。
 
 だから、私にとっては馴染みの、キャラクターの後ろの擬音文字が、

 時々、簡単な文章になっていたりしました。

 これも文化の違いなんでしょうね!

 
 そんな中で、一番しっくりこなかった英語が・・・

 Thank you for your hard work.

 これはですね「お疲れ様でした」の英訳なのですが、

 なんだかねぇ~~~(^_^;)

 確かにね、たとえば家に帰ってきた旦那様に、奥さんが「御帰りなさい。お疲れ様でした」って
 
 言ったのなら、まぁ、そうかもしれないですよ(笑)

 確かにその時の「お疲れ様」には、「今日も一日お仕事大変でしたね。ありがとう。」の
 
 気持ちがこもっていると思いますが・・・

 基本的に、英語で「Thank you for your hard work.」が非常に不自然な気がする(笑)

 私はこのフレーズをよく友人の英語講師に言います。

 当然、ほとんど冗談です。アメリカ人の友人は「なんだそれ?」って最初言ってました。

 で、私が日本語の習慣の説明をして、本当に私のへんてこ英語に付き合ってくれた

 あなたへの感謝ですと言ったら「なるほどねぇ~」って笑ってました。


 その上、この「Thank you for your hard work.」という表現が使われていたのが、

 社長の愛人を迎えに行った部下が、愛人を見つけるなり言った一言です。

 このとき、確かに日本語なら「お疲れ様でした」って言うでしょうが・・・

 この英語、変でしょ? だって「Thank you」ってこと自体が、

 「I thank you」なわけで、この状況で「私はあなたに感謝する」と言われてもねぇ~~

 「あんたには何もしてやってねぇ~けど?」てなもんだし・・・(笑)

 ホントに言わないんですよ! 英語で「お疲れ様」って言葉ないでしょ?


 あと、「いってらっしゃい♪」も難しいなぁ~

 そうなると結局、「道中気を付けて」ってくらいの英語に訳すほかなくて、

 どうにも日本人としては引っ掛かりを覚えるわけですよ。

 他にも「がんばって」も日本語の感覚では使えないですよね。

 いろいろな表現はあるけど、結局「頑張って」って一言、言おうとおもうと、
 
 「have fun!」だったり「you can do it!」とかもありし・・・

 舞台俳優さんになら「break a leg!」も「がんばって」のうちか?とかねぇ~

 
 

 英語にも「丁寧な表現によるフォーマルな話し方」や「目上の方に対する話方」はありますが、

 日本語のような「謙譲語群」や「尊敬語群」がないし、女性的語尾変化、男性的な乱暴な言い方、

 「俺」「僕」「儂」「私」「あたし」「わたくし」「俺様」「あなた」「キミ」「貴様」のように

 ある程度キャラクターの性格を決めるような言葉選びもないわけです。


 これが非常に変な感じかするのですね(笑)


 すべての言葉を外国語に訳すことは不可能ですが、

 それ以外にもほとんどの気持ちや習慣的なあいさつを外国語に訳すのは無理ですね・・・

 根本的に文化も宗教も生活環境も価値観も違うから、感じ方も全く違うわけで、

 言葉の使い方や笑いのポイントの問題で、翻訳の仕方が非常に難しいのだと思います。


 努力は認めますが、どうしても「マンガ」を翻訳するのは難しそうですね(笑)