映画「あらしのよるに」と絵本

 『あらしのよるに』という絵本があります。
 確か、7作くらいのシリーズで完結していて、
 何年か前に、NHK教育で、中村獅童さんが朗読をされていました。
 その時、初めて知ったのが「あらしのよるに」です。

 この「あらしのよるに」は、子供むけの友情をテーマにした童話です。
 中村獅童さんの朗読がとても素敵だったので、図書館で読みました。
 
 とっても可愛くて、素敵な友情の物語です。
 走れメロスより、もっと強い本能的渇望を抑えて、友情を育むお話です。
 
 中村獅童さんの朗読はとっても良かった!
 舞台俳優さん(歌舞伎俳優さん)ならではの、臨場感あふれるセルフまわしは、
 朗読という形態にぴったりはまっていた気がします。
 
 このお話は、狼と子ヤギの友情物語です。
 嵐の夜に、互いの顔も分からない状況で、雨宿りした小屋で出会った二匹は、
 心細さから会話を深め、親近感を持ちます。
 仲良くなった二人は、昼間に会う約束をします。
 お互いが捕食者と獲物であることも知らずに・・・
 オオカミの名は「ガブ」。子ヤギの名は「メイ」。
 
 約束の日、約束の時間にあの雨宿りをした小屋の前ので二人は再会します。
 当然、驚きを隠せない二匹。でも、互いにあの心細かった嵐の夜の親密感によって結びつきます。

 とはいっても、所詮、捕食者の狼にとって、子ヤギのメイは「おいしそうな御馳走」なんわけです。
 一緒にハイキングに出かける二人。先導するメイの尻は、どんどんお腹がすいてきたガブにとってはは、
 やっぱり、「おいしそうな獲物」に見えます。
 でも、ガブは我慢します。やっと見つけた「仲良しの友達」を食べるわけにはいきんせん。
 それでも・・・葛藤はあるわけです。メイは、ハイキングの目的地を、おいしい草のある丘にします。
 たどりついても、ガブにはお腹を満たす「ご飯」はないわけです。
 隣には、おしそうな子ヒツジがいるのに・・・食べたいけど、食べちゃいけない子ヤギ・・・

 この究極的な葛藤が、常に「狼のガブ」を苦しめます。
 この異種間の友情は、ガブとメイの根底的な良心によって強く結ばれるのですが、
 捕食動物と被捕食動物という関係が、両動物の仲間にばれて、いろいろな事件が起こります。
 これを描いたお話が「あらしのよるに」シリーズです。

 「走れメロス」より、強い友情だ!と思った理由は、ガブの葛藤にあります。
 メロスは、もし途中であきらめても、友達は「他の誰かに殺される」だけです。
 ところが、ガブは常に「自分の餓え」に対する戦いも強いられたうえで、
 それに耐え、メイとの友情をはぐくみ、一緒に暮せる理想郷を探すのです。
 メイも、ガブが動物の肉を食べなくては生きてゆけないと知っているし、
 究極の選択として、「自分が食べられるか、ガブの飢餓か」という状況に置いて、
 ガブをいたわり、自分を差し出す覚悟をしながらも、ちゃんとガブを信じているという、
 本当の深い愛情を含む、美しい友情の物語です。



 この「あらしのよるに」が2~3年ほど前に映画化されました♪
 とっても楽しみにしていたのです。
 でも・・・キャスティングを聞いてガッカリ・・・

 話題の俳優さんが声を担当してた(ー”ー;)

 メイ役を「成宮寛貴さん」、ガブ役を「中村獅童さん」が担当されました。
 このほかにも、ほんとど「俳優さん」が声を担当されていて、ゲンなり・・・
 私は、吹き替えは、絶対、ベテラン声優さんに任せるべき!!と信じて已まない!

 山寺宏一さんは、素晴らし声優さんですし、市原悦子さんは…
 まぁ、日本昔話を知ってる世代だから・・・いや・・・でも・・・・(笑)

 で!! この映画版『あらしのよるに』がいやだったのです。
 やはり「餅は餅屋」というか・・・なんだか異様な違和感が・・・

メイとガブが… なんかホモっぽい(ーー;)ξ

 この映画を見ながら、どこかそわそわしてしまい、
 どうも「究極的友情」にフォーカスできない自分がいたのです。
 
 ガブ役の中村獅童さんは、朗読を聞いていたし、歌舞伎俳優さんなこともあり、
 ガブの声優として、あまり違和感を感じなかったのですが・・・
 メイを演じた成宮寛貴さんが、アザと過ぎました。
 メイは、容姿も可愛い「オスの子ヤギ」なのですが、
 20代の男性が演じるには、もうかなりキツイキャラクターだと思います。
 それも、巧い声優さんならまだしも、俳優さんです。
 現代劇の、TVや映画などで、自然な演技を求められる俳優さんには、無理です。<持論ですが

 20代男性の成宮さんが、一生懸命幼く純粋な可愛い男の子を演じようと
 がんばっておられるのは分かりました。あの内容でなければ、文句は言わなかったかもしれない!
 でも、あれじゃぁまるで…「ガブが、メイを押し倒そうとしてるみたい」に感じます…
 きっと、成宮さんのせいだけじゃないと思います。
 キャラクターデザインや動画・作画も原因です。
 そして、中村獅童さんの演技にも一因はあると思う・・・

 原作が大好きだっただけに、非常に嫌だったアニメ映画です・・・
 私的に、とても残念です*1

 本当に究極的な、人間の良心と渇望との葛藤描いた、
 根源的な愛と友情の物語なのです。

 だから、きっと私がいけないのですよね・・・
 そんな邪な風に捕えてしまうワタシが・・・_| ̄|○ 
 もう、私のこと「腐女子」でも「既腐人」でも「汚超婦人」でも、
 何とでも好きにお呼び!!
 私だけのせいじゃないぞ!! <たぶん・・・il||li _| ̄|○ il||l

 絵本は、ものすごくお勧めです!大人も読んで欲しいくらいです。
 忘れかけていた、幼い日の純粋な思いが蘇りますよ、きっと♪

 映画は・・・可愛くて、綺麗で、たぶんいい出来です・・・
 オフィシャルサイトがまだあるみたいなので、リンクします。





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 こっからは、独り事だけど・・・

 あの「ガブ」と「メイ」を、兼ちゃんがダブルキャストでやってくれたら、
 絶対、あのお話に集中できたのになぁ~ <遠い目・・・
 そりゃ、兼人さんの声にやられっぱなしの私だけど、
 アニメで声出してる兼人さんの声は、いつでもちゃんと、
 そのキャラクターの声となり、表情になってたもん♪
 
 後から、キャラクターを無視して、「兼人さんの声」を聞こうとするから、
 私が甘い声に死にそうになるだけで、実際は、
 ものすごく演技派の素晴らしい声優さんだったのだから…

 もしくは、せめて「メイ」だけでもちゃんとした声優さんだったら、
 違っていたかもしれない。
 欲を言えば、舞台俳優さんと声優さんのお仕事も違うのだから、
 声優としてベテランの方に「ガブ」もあてて欲しかった。

 私的欲望のキャスティングの一例・・・

 ガブ:小杉十郎太さん・三木眞一郎さん・井上和彦さん・銀河万丈さん
 メイ:女性>松本理香さん・田中真弓さん
    男性>緑川光さん・浪川大輔さん・草尾毅さん・佐々木望さん

 などなどなど・・・たくさん、いくらでもしっくりくる声優さんいらっしゃるのになぁ~~

 ジブリを筆頭に、最近のアニメや洋画のアフレコは、
 声だけで演技するには未熟すぎる人が多くて嫌だな~
 話題の俳優さん・女優さんなんかが多いけど、
 やっぱり「巧い!」って人は、少ない・・・
 私的には、最近、皆無!昔は、嵌まり役の俳優さんのアフレコもあったけどね♪

 俳優さんにとっては、声だけじゃ表現媒体が足りないいだろうなぁ~。
 逆に、声優さんがTVで顔見せで、何らかのキャラの声を出すと、
 妙な違和感を覚えるものです・・・(^_^;)

 はぁ~、兼ちゃんの朗読で「あらしのよるに」が聞けたら・・・
 一瞬で熟睡間違いなし♪ <気絶の間違いか?(笑)

*1:+_+